世界一幸せな国Ⅰ
ご希望、とは言われてもな……
「あっ、彼方と一緒にいたいから、同じ歳の幼馴染とかそんなのない?」
私が唐突に思いつき言うと、悠馬はタブレットを弄り始めた。
弄る、というより操るという感じだ。
次々と物件を見た後、悠馬が言った。
悠「悪い、幼馴染はないみたいだ。双子、じゃ、駄目か?」
悠馬が本当に申し訳なさそうに言った。
「ないものは仕方ないじゃん。いいよ、私は双子で」
彼「俺もいいよ。むしろ一緒に入れて嬉しいし」
悠「あそこは貴族社会で、お前らは公爵令息と公爵令嬢となる。いろいろ大変だが行けるか?」
悠馬が心配そうに言った。
「2人なら」
彼「なんでも乗り越えれるんだよ!」
「「ねーっ!!」」
私達は示しを合わせたかのように言った。
私達は2人なら、どんなことだって乗り越えていける。
絶対に……。