世界一幸せな国Ⅰ


悠「じゃあ、登録する。…….面倒くせえしLIMEでいっか」


そう言うと悠馬はLIMEを開き、文字を送った。



悠「後は容姿だな。どうする?」


ほう、私達は容姿まで決めれてしまうのか。


「えっと、お楽しみがいいから、取り敢えず手入れしなくてもいいぐらいの綺麗なマシュマロ肌が欲しいそれ以外は特になし」


悠馬が目を丸めた。


悠「おまっ……マシュマロ肌がいいのかっ?!それだけ?!ひとつ言ったそれがマシュマロ肌なの?!」


「悠馬、久しぶりにうるさい。……殴るよ?」


我ながら懐かしいと思いながら、軽く殺気を出した。


悠「……ひぃっ、さ、さーせん……。か、彼方は?どうする?」


びびった悠馬は、目線と話を逸らすようにして彼方に聞いた。


彼「俺は特になし。ところでなんだけど、当然、あの物件、家族には恵まれているよね?」


彼方は確かめるように言った。


悠「もちろん、星5の物件だ。お前らにそんな物件勧めることが出来るわけないだろ?」


彼「……うん。だよね……。ありがと」


彼方はホッとしているようだった。







私達に、綺麗な容姿なんていらない。




私達が欲しいのは、家族からの愛だ。







幸せな家族の元で、生活してみたい。




両親が死ぬところなんて、もう、見たくないんだ。




彼方が虐待されているのだって、もう嫌だ。






今私が一番欲しい、それは、








「本当の家族」だ……。
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