世界一幸せな国Ⅰ
第二章
優しい人たちだ
とある家の一室。
そこにあるベッドで、小さな子供たちがそわそわしながら話していた。
「ねぇっ、生まれてくる子って男の子?女の子?」
そう話すのは7歳の綺麗な女の子、メアリー。
「きっと男の子だよ」
と、5歳でクリクリとした大きな目が特徴の男の子、ランダ。
メ「きっと女の子よ!だってこの家、男の子は2人いるもの」
ラ「いいや、男の子だね」
「まあまあ、どっちでもいいじゃないか。可愛い兄弟が産まれることに変わりは無いんだから」
ケンカを始めるメアリーとランダの会話に割って入るのは、長男、9歳のレオ。
……と、急に廊下が騒がしくなった。
兄弟「産まれた!?」
兄弟は、飛び起きた。
慌てて部屋を出る。
そこに、子守のアリスがきた。
ア「レオ様、メアリー様、ランダ様。
起きていらっしゃったのですね。ちょうど起こしに行こうと思ったところです」
メ「ねぇ、アリス。赤ちゃん産まれたの?」
ア「はい。可愛い女の子と男の子ですよ。ご覧になります?」
アリスは優しく微笑むようにして言った。
レ「勿論!」
ラ「行く!」
子供達は、即答で返事をした。
そして、言うや否や、物凄い勢いで走っていった。