世界一幸せな国Ⅰ
第三章
天使か?天使か!天使なのか!!
──ローナ、ユアン5歳
今日は誕生日と共に、初めてパーティーに出席する日。
正直なところ、嫌だし面倒くさいのだが、我が家は上級貴族だ。
招待されるのは、上位貴族の人やお兄様達の友達。
当然といえば当然なのだが、挨拶して回らないといけないのだ。
「……はぁ、嫌だなぁ……」
本当、朝からため息しか出ない。
しかし、今日は準備のためにメイドたちが来る。
だから、そんなことを言わずに早くに着替えなければならない。
今日のために仕立ててもらった、ピンク色で後ろが大きなリボンで結ばれているドレス。
これは、間違いなく似合わないだろう。
「……はぁ」
またため息が出ながらも、ドレスに足を通した。
レースの付いた靴下を履いてから、淡いピンク色のパンプスを履いた。
全身鏡で体を映してみる。
「……はぁ」
我ながら、何度目のため息だ。
しばらくしてからノックがなった。
──コンコン
メ「ローナ様、着替えられましたでしょうか?そろそろ、ヘアメイクをしたいのですが」
「うん、わかった。すぐ行くよ」
本来なら着替えも彼女らにしてもらうはずだった。
しかし、私が普段から断っているのだ。
「着替えぐらい自分で出来るからいい」
と。