世界一幸せな国Ⅰ
メ「ローナ様、お似合いです!とても愛らしいお姿!!」
「……はは、お世辞をありがとう。見苦しくない?」
メ「まったく!ローナ様以外のどなたが着ても、このドレスは映えません!」
過剰なほどに褒めてくれるメイドには本当にありがたくなった。
メ「ローナ様に1番似合う髪型にいたしますね!今のうちに髪飾りを選んでおいてください」
色も形も様々なたくさんの髪飾りから私が選んだのは、淡いピンク色のリボンがついたバレッタだった。
衣装の都合上、合うのは淡いピンクが白。
また、形もリボン、レース、フラワーに限られる。
その中で、1番主張していなかったアイテムが、リボンバレッタだったのだ。
私のシルバーの髪は、丁寧にアイロンで巻かれ、ハーフアップにされた。
その結び目に先ほど選んだバレッタをつける。
メ「完成しましたよ!お待たせいたしました!」
「わぁっ!すごいっ!!ありがとう、チェルシー(メイドの名前)」
チ(メ)「お喜びいただけて光栄です。さあ、ご主人様たちにお見せしに行きましょう!」
「……」
うん、それは、嫌だ。
家族が暴走するのが目に見えてわかる。