嘘つき*シュガー
「そ。それで、もし俺が勝ったら――……」
弥の指が伸びて、あたしの頬に触れた。
「立川先輩から、千亜樹を奪うから」
そう、余裕たっぷりに笑って、弥は階段を降りて行った。
赤くなった頬を押さえる。
たくさんのことが同時に起こって、頭がパンクしちゃいそう。
あたし、弥に告白されたんだよね。
それから今度のクラスマッチで晴真先輩と勝負して、弥が勝ったら――……。
こんなことって、ある?
弥があたしを好きでいてくれたことも驚きだけど、それより何より。
晴真先輩、どうしてその勝負を受けたの――?