嘘つき*シュガー




「なんでそんな……」



「こんなことされてまで、付き合いたいのか?」



「弥、」



「俺ならこんなこと、絶対させないのに……っ」




ガンッと靴箱の扉が弥の拳で閉められた。




「弥……」



「今ならまだ、間に合う」



「わた……」




腕を引っ張られて、あたしはそのまま弥の腕の中。




「……俺と付き合ってほしい、なんて言わないから」




切なそうな声に、あたしはなにも言うことができなくて。ただ耳を傾けた。




< 237 / 403 >

この作品をシェア

pagetop