嘘つき*シュガー
誰よりも大切にしてくれる。
なのに晴真先輩は、本当はあたしのこと好きじゃないの?
「……どうして、そんなこと言うの?」
身体が離され、弥を見る。
「それは……」
あたしの質問に、弥は口ごもった。
――なにか、言いにくいこと?
「弥?」
「この前、部活で怪我したときに保健室で聞いたんだ」
「……なにを?」
――聞いちゃいけない。後に引けなくなるよ。
警戒する心の声に耳を傾ける余裕もなく、あたしは弥に聞いた。