嘘つき*シュガー




「俺の彼女になってよ、千亜樹ちゃん」



これは、夢なのかな。



あたし、学園の王子さまの彼女になるの?




「……千亜樹ちゃん?」




何も言わないあたしの顔を、立川先輩が覗き込んだ。



今のあたしは、いったいどんな顔してるんだろ。




「あたし、どうしたら……」



「何も考える必要はないよ。ただ、頷けばいい」



力強い、言葉。



あたしが迷う必要なんて、ないの?



何も言わずに頷くのが、あたしにとって一番いいこと?



< 29 / 403 >

この作品をシェア

pagetop