嘘つき*シュガー





「千亜樹、話なんて聞かなくていい」




弥があたしの腕を引いた。




「ほら、帰るぞ」




なのに、あたしは動けない。




「千亜樹?」




それは、あたしがまだ晴真先輩のことが好きだから。




どんなことをされたって、きっと好きな気持ちは変わらないんだよ。




ただ、苦しいだけだとわかっていても。




「……話を、聞く」



「千亜樹、わかってんのか?コイツは……」



「わかってる!」




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