嘘つき*シュガー





「なんで、って顔ね。本当に鈍感なんだから。弥の気持ち聞かされたでしょ?」




ハテナを浮かべるあたしに、奈々がわかりきったかのように言う。




「え……」




奈々、なんでそれ。




「弥と千亜樹のこと、ならなんでもお見通し」



「え゛えっ」




そ、そうなの?さすが奈々です。




あたし達のことをよくわかってますね。





「……だから、今ここで泣いてる暇なんてないよ」



トンと背中に手のひらが触れた。



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