嘘つき*シュガー




「え、奈々?」



「行っておいで、千亜樹」



「行、く?」



「本当の気持ちを、ちゃんと伝えておいで」




――後悔しないように。




奈々の言葉に頷いて、あたしは急いで教室を出た。




あたしは本当にバカで、肝心なときに勇気がなくて、素直になれなくて。




後悔してからじゃ遅いんだ。




ちゃんと伝えなきゃ。



晴真先輩に、素直な気持ちを――……。




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