嘘つき*シュガー




「はぁ……」




置かれているベンチに腰掛けて、空を見上げる。




――最悪だ。




あの子が千亜樹ちゃんを突き落としたなんて。千亜樹ちゃんはそんなこと一言も……。




「晴真先輩っ!」




可愛らしい声が、あの頃のように俺の名前を呼ぶ。




空耳なのかな、なんてのんきなことを考えていたら、目の前が暗くなった。




あれ――……。




そしてすぐに気づいた。
それが人の陰だってことに。



< 345 / 403 >

この作品をシェア

pagetop