嘘つき*シュガー




ううん、全然あり得ます。



落とし物の1つや2つ、余裕で。



少しだけ自分の身の回りを確認したあと、男の子の前まで歩いていく。



「あーえっと……ありがとうございま……」




ゆっくり手を差し出すと、綺麗な手があたしの手の上で開かれた。



「……え?」



だけど一向にあたしの手のひらは、空。



なにも、ない?



え、まさかこの人。




「……嘘ついたんですか?」



「嘘じゃ、ないよ」



< 4 / 403 >

この作品をシェア

pagetop