嘘つき*シュガー
「千亜樹は知らなくていい。じゃ、俺行くとこあるから!」
「え、ちょっと弥!?」
それだけ言うと、弥はどこかに行ってしまった。
弥は、いつも一緒にいて、互いになんでも知ってる。
好きなモノも嫌いなモノも。
弥が、思い立ったら即行動タイプってことも。
放課後、騒ぎのあとで人はまばら。
そんななかに1人、教室に残されたあたしの声が。
「……いったい、なんなの?」
音もなく、溶けていった。