誰かが言いました。
そんな感じで猫に(心の中で)話しかけていたら、加賀くんはいつの間にやら寝てしまったらしい。


「あら……」


長い睫毛を下ろしてすーすーと寝息をたてていた。


猫も私の手からすり抜けて加賀くんの顔の横で丸まってしまった。


「君は飼い主に従順なのかい？」


私も寝転んで猫の体をツンツンとつついてみたけど、少し反応を示してまた丸まってしまった。


ちらりと横に目線を移すと、加賀くんの顔が近くにあった。


「……わっ」


加賀くんが起きちゃうかなと思って口を手で塞いでみたけど、加賀くんは規則正しい寝息をたてている。


……疲れてるのかな。


じっと加賀くんの顔を見つめる。


改めて整った顔だと思う。


目も鼻も口も、あるべきところにちゃんとあって、それが彼の色気というものを作っている。


いやみがなくて、見ていてため息が出てしまうほど美しい。


整っているけどどこか愛嬌があって、でも猫みたいにどこか気まぐれで、でもそんなところも素敵で。


イケメン過ぎると好きになる人が増える半面嫌いになる人も増えるけど、加賀くんはみんなに好かれるんだろう。


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