誰かが言いました。
遠くから見ていればそれでよかった。


それは事実だ。


でも、こうして傍で見ていると、私の気持ちがどんどん貪欲になっていくのを感じた。


ふと、先日茜が見せてくれた花言葉を思い出した。


……私の気持ちは、アヤメにどこか似ているのかな。


「ね、どう思う?」


寝ている猫に話しかけているつもりだった。


「……何が?」


でも、それに答えたのは彼だった。


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