君のいない街で
裁判
数日後、裁判の日取りが決まった。

戦う決意をした田中は、新しく仕事を始めた。

たいした給料じゃない。普通のサラリーマン。

僕は田中を応援しよう。
さりげなく食事に誘っては奢った。

せめて食事代くらい浮かせてやりたい。それだけだ。

あれから飯間は部屋から出てこない。呼び掛けても返事はない。
部屋も真っ暗だ。何をしているんだろう。大丈夫だろうか。
まさか…

いや、大丈夫だ。良くない考えはしない。

あんなことがあったんだ。一人になりたいだろう。

今はそっとしておくことが、僕に出来ること。

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