君のいない街で
見舞い
気がつけば家に着いていた。

深く色々なことを考えすぎていたようだ。

医者の言葉が頭から離れない。
退院後の生活で飯間の傷を癒すこと。

そんなのきっと簡単なことじゃない。

改善と言っても何をすれば。

とりあえず、血まみれの部屋では帰ってきたとき辛いだろうから掃除をしよう。

至る所に血がついていて、引きずったところなんか血で道が出来ていて、まるで殺人現場だ。

時間がかかりそうだ。

まず風呂を洗った。血が渦を巻いて流れていく。
ホラー映画のワンシーンのような状況に眩んだ。
続けて、カーペットを捨てた。血まみれで使えたもんじゃない。

血のついた方を内側にして見えないように包んだが、黒いものが染みていた。

時間が経って乾いた血はどす黒い色をする。
< 167 / 214 >

この作品をシェア

pagetop