君のいない街で
僕の生きる道
やっぱり、すらすらとは書けない。

何度も何度も悩んで、捨ててタバコをふかす。
そんな毎日が、僕は好きだ。

田中は、再婚をし子供を授かった。

借金返済をしているときに、応援をしてくれた女性らしい。惚気話を聞き飽きてしまうほど幸せそうだ。

飯間も彼女とよりを戻した。
何があったのかは教えてくれないけど、とりあえず幸せな道を選んだようだ。

数年前のイザコザが嘘のように、アパート内が明るくなった。

後は僕だけ。僕が夢を叶える日を仲間は心待ちにしてくれている。

やっとの思いで書き上げた詞には、たくさんの思い出がつまっている。

理解してもらえるかわからないけど、これが僕の気持ち。

いつもの場所で、僕は歌った。

有名な曲を一通り歌ったところで、自作の曲を。

多分誰も聞いちゃくれないし、イタイヤツだと言われるかもしれない。

でも、そんなの気にならない。

さぁ。歌おう。
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