君のいない街で
存在理由
会いたい。

会えない。

次第にそれは、苛々に変わりはじめていた。


“また”って言ったじゃないか。

なんで…。

また引きこもってしまった。

仕事を探すつもりだったのに。

今ではまったくその気にならない。

不精髭が生えてきても、剃る気にならない。

こんなに無気力になるくらいなら、はじめから期待なんてしなければよかった。


せめて電話番号でもきいておけば。

情けない。過ぎたことを後悔している。

僕なんて存在しなくてもいい。

消えてしまおう。
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