君のいない街で
めざめ
痛い。

僕は死んだはず。それなのに痛いなんて神様は酷い。

……起きろ

……起きてよ

今度は冷たい。神様…僕が何かしましたか。

パチン!!!

っ…痛い!


僕はゆっくり目を開けた。

あまりの痛さで生き返ったのだろうか。


目の前には泣いている彼女がいた。

そうか、これは夢だ。

きっと…

また目を閉じようとする僕に、痛みがはしった。

これは現実なんだと言われているようだ。

朦朧とする意識の中、確かに彼女がいることを認識した。

「何やってるのよ…。」
涙を流しながら怒っている。

そうか。

これは現実。僕は生きている。

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