君のいない街で
失意
窓を開けると、排気ガスの臭いが立ち込める。

もう何年と外に出ていない。

景色は昔と変わったのだろうか。

それすらもわからない。

所詮僕は、このままなんだ。

逃げ出す勇気もないくせに、意気がって。


恥ずかしいほど惨めだ。

開けることすらない窓に寄り添って、外を見た。

難しい顔のサラリーマンしかいない。

つまらない景色だ。

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