君のいない街で
立ち向かえ
気が付けば、僕は拳をつくり男たちに挑んでいた。
まずは彼女を掴んでいる男。

殴り掛かった僕にびっくりしたのか身動きせず、見事に頬にあたった。

痛い。殴るほうがこんなに痛いなんて知らなかった。

「てめぇ…」

周りにいた男たち、合計4人が僕のほうにきた。
勝てるわけがない。足も震える。だけど、必死になって男たちに立ち向かった。

当然のように一発また一発とパンチをくらい、倒れ込んだ。

すると今度は蹴り蹴りまた蹴りのラッシュ。

“今のうちに逃げろ。”
声には出来なかったが、彼女に目で合図する。

首を横に振るが、僕は強く目で訴えた。

“頼むから逃げてくれ”

彼女は渋々、この場を去った。
これで彼女は大丈夫。

そうおもうと、なんだか楽になった。

これでいい。

きっと誰かが見てる。あとは僕が死ねばきっと犯人は捕まる。

意識が遠退く。

今度こそ僕は死ぬ。
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