君のいない街で
警察の目
ニッとイヤラシイ笑いを浮かべる警察。

「おや違いましたか。失礼しました。でもその怒りようは、何か隠していらっしゃいますね。もしあなたが被害者であるならば、我々警察はあなたを全力で守りましょう。ですから、隠していらっしゃることを話してみてはもらえませんか。」

「いや、何もかくしていませんから…」
警察に言えば殺されるかもしれない。また彼女が狙われるのは我慢できない。

「そうですか。ちなみにですが…あなたは両親を亡くされてますよね?」
クソが。なんでこんなに僕をコソコソ探るんだ。
「えぇ。確かに幼少の頃に失いました。」

「そうですか。大変だったでしょう。」

「まぁ…それがなんでしょうか。」

「例のグループの内の一人が、あなたの両親を殺害した犯人と供述しました。ただ内容としてはよくわからないんですよ。何せ10年以上も前の話で証拠も残っていないのですよ。犯人の話によると、表は大成したビジネスマンだったが裏では自分たちの幹部だった。それなのにグループを裏切ったから殺害に及んだんだとか。」

そんな話知らない。父親は優しい人だった。
…といっても幼い頃の記憶。曖昧なことだ。

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