君のいない街で
詩 首輪

とぼとぼと

歩き始めた

僕の背に

犬の視線を感じた

振り返っちゃいけない

決意が鈍るだけだ

それでも

これが最後だと

振り返ってしまった

無理した笑顔

そんなのいくら俺でも

わかるんだ

余計に悲しくなるだけ

ちらりと見えた首筋に

キラリと光る首輪

そうか

ちゃんと可愛がって

貰うんだ

もうここで

傷だらけになって

痛い思いをしなくて

いいんだね

よかったね

さようなら
< 88 / 214 >

この作品をシェア

pagetop