先生

「航平はもう引退してますけどね。」

「それでもバスケ部だろ?いいよなぁ、楽しそうで。明日とか一緒に回ったりするんだろ?」

「もちろん!ねー!!」

「…うん。」

「先生は高校生のとき彼女とかいなかったの?」

「そんなもんいねぇよ。」

「え、意外。ね、芽唯。」

「うん。」

「俺はバスケ一筋だったからな。」

そのとき、咲の携帯が鳴った。

「あ、ちょっとごめんね。悠斗から。
もしもし。うん、うん、うん、わかった。今から行くね。うん、じゃあまたあとで。」

咲の電話が終わった。

「ごめん、悠斗が迎えに来てくれたみたい。」

「あぁ、そっか。」

「お金、俺出しとくから。」

「え、そんな、悪いよ。」

「いいから。早く行ってあげな。」

「先生ありがと。ごちそうさまです!」

「おう。」

「じゃあ、芽唯また明日ね。ばいばい。」

「ばいばい。」

咲は、帰っていってしまった。



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