先生

先生と二人きりになって、急に緊張してきた。

「俺らも帰るか。」

「はい。」

私たちはお会計を済ませて、お店を出た。

「私の分まですいません。」

「いいよ。おごりたかったから。」

「ありがとうございます。」

「電車?」

「はい。」

私たちは駅に向かった。

そして、沈黙が続いた。

「……吉岡。」

「はい。」

「…元気か?」

「えっ…」

人気が少ないところで、私たちは立ち止まって、お互いを見つめ合っていた。

「合宿のあとからずっと気になってた。何があったか聞かないって言ったけど、ほんとはすげぇ気になってた。だからって、話してほしいとかじゃなくて、ただ、なんか悩んでるんだったら、話してほしいなって。最近の吉岡見てると、いつも何か考えてるみたいだし、ほんとに、すげぇ心配なんだ…。」


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