先生

ガチャ。

部室の扉が空いた。そして、電気がついた。

「誰?」

その声…

私は声のする方を見た。

「…よし、お、か?」

春山先生…。

今、一番会いたかった人。

でも、こんな泣き顔で会えない。

「吉岡?こんなところで何してるの?」

「先生こそ、なんでここに?」

「あ、俺今日鍵当番だったから。」

「そうですか。」

「で、吉岡は何してんの?帰んないの?」

「…先生、電気消してください。」

「えっ?」

私はこれ以上何も言わなかった。

そうしたら先生は、何も聞かずに、黙って電気を消してくれた。

そして先生は私の方へ来た。

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