先生
「ごめん、待った??」
「ううん。今来たところ。」
「そっか。よかった。」
待ち合わせしていた相手は、もちろん、航平。
「あのね、航平に、言わなきゃいけないことがあるんだ。
あのね…、あの…ね、……私、…その、…あのね……」
そのとき、航平は私を抱きしめた。
「わかってる。芽唯が言いたいことちゃんとわかってるよ。」
「えっ…?」
「やっと、気づいたんでしょ?自分の気持ちに。」
航平…気づいてたんだ。
「ごめん。ごめんね、航平。」
「謝ることない。だって、俺と別れたくて先生のこと好きになったんじゃないだろ?気がついたら、好きになっちゃってたんでしょ?」
「うん。」
「だったら、しょうがないよ。芽唯は何も悪くない。それに俺、二人を応援するって決めたんだ。だから、何かあったらいつでも言えよ。それぐらいは、させてよ。」
航平が言ってくれることにすごく感動して私は泣いてしまった。
「航平…。ありがとう。私、航平を好きになってよかったよ。毎日が、本当に楽しかったよ。私と一緒にいてくれてありがとう。」
「俺も、ありがとな。芽唯、ちゃんと幸せになれよ。」
航平。
これからは別々の道を歩むけど、ずっと私の大事な人。
航平と出会えて本当によかった。
私、ちゃんと幸せになるね。