先生
「気付かなかった?」
そんな悲しそうな声で言わないで。
「ごめん。」
「いや、いいんだ。気付いてないだろうなとは思ってたからさ。」
斗真、悲しそうな声をしてる。
斗真のこと悲しませちゃった。
「ごめん。ごめんね、斗真。」
「謝るなよ。なんも悪くない。」
「でも…」
「申し訳ないって思うんだったらさ、俺のこと少しは考えてみてよ。俺本気だから。」
「…それはできないよ。」
「え?」
斗真は私を離して私の顔を見た。
やっぱり斗真悲しそうな顔をしてる。
「ごめん斗真。知ってると思うけど私好きな人いるの。この気持ちは変わらない。だから、考えることも、気持ちに応えることもできない。ごめん。」
「………。」
斗真が何も言わない。
どうしよう。