先生

まずは、太陽。

次に、お兄ちゃん。

そして、私。

「お姉ちゃん。芽唯だよ。わかるかな?

久しぶりだね。

私はもう十六歳になったよ。

お姉ちゃんと最後に会った時は、私まだ四歳だったね。

だけど、お姉ちゃんのことはちゃんと覚えてるよ。

いっつも、お姉ちゃんとお兄ちゃんに付いて回って、真似ばっかりしてた記憶があるなぁ。

お姉ちゃん、あの時は私まだ四歳だったから、何も考えずにお母さんの方行っちゃって、お姉ちゃんを一人でお父さんの方に行かせてごめんね。

お姉ちゃん、お父さんと暮らしていて幸せだった?寂しくなかった?

でもお父さんが死んじゃってからはきっと寂しかったよね。

私もお母さんが死んじゃってすごく寂しかった。

だけど私にはお兄ちゃんがいたから。

だから寂しかったけど、寂しくなかった。

でもお姉ちゃんは一人だったんだもんね。

ごめんね、寂しいときに側にいてあげられなくて。

もっと、お姉ちゃんとたくさん一緒に過ごしたかった。

いつかまた三人で会えるって、また仲良く遊べるって思ってたのに…

なんで死んじゃったの?

私たち置いてかないでよ。

お姉ちゃんに会いたいよ……。



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