先生
次の日部活の前に太陽に呼び出された。
昨日のことだよね。
でも、まだ別れることは言わない。
その日が来るまで思いっきり楽しみたいんだ。
私は数学科準備室の扉を開けた。
「太陽。」
「呼び出してごめんな。」
「ううん。昨日のことだよね。」
「…うん。」
「私に任せて!」
「え?や、でも。」
太陽は驚いた顔をしている。
「だって、私のお兄ちゃんだよ?頑張って説得させるからさ!
だから、太陽は何もしなくてもいいんだよ。」
太陽は腑に落ちない様子。
「大事なこと彼女に任せっきりにする彼氏ってどうなの?」
「私はそんなこと気にしないもん。だから、ね?任せて!」
「…わかったよ。」
太陽は渋々了解してくれた。