先生

「あっちぃなー。」

「もう七月だもんね。」

私たちは他愛もない会話をしながら帰っている。

「…もう慣れた?」

「ん?なにが??」

斗真が言いにくそうに言った。

「…クラス。春山先生のクラス。」

あ、そのことか。

斗真、気にしてくれてたんだね。

優しいね。

「うん。もう慣れたし、今は春山先生とも普通に話せてるよ!
ちゃんと教師と生徒になれてると思う!」

「そっか。ならよかった。」

斗真が安心したような笑顔を向けてくれて私も笑顔になった。

「でももし急に辛くなったり悩んだりしたらいつでも言えよ?」

本当に斗真は頼りになる。

「ありがとう。斗真。」

もしかしたら、私のことを気遣っていつも隣にいてくれてるのかな…?



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