先生

ガラガラッ

「芽唯。」

保健室に入ってきたのは斗真だった。

「斗真。あ、ごめんね応援行けなくて。」

「ううん。いいよ。それより、どうしたの?怪我??」

「…うん。捻挫しちゃって。」

「いつ?」

「……試合前。」

「…え。……ごめん、俺気付けなかった。」

「そんなっ、全然気にしないでよ!」

なんか斗真が元気なくて変な感じ。

「春山先生は、いつ気付いたの?」

え、先生?

なんで先生に聞くんだろう。

「試合前。」

「試合前か…。さすがだね、春山先生。」

「お前、どうした?」

先生も斗真が変だと思ったのかな。

「いや、なんでもない。
春山先生、後は俺が見てるから。」

「そうか。なら後は頼んだ。
じゃ、お大事にな。
あ、吉岡。帰るときは俺んところ来いよ。」

「はい。」

そう言って春山先生は保健室を出て行った。

< 315 / 436 >

この作品をシェア

pagetop