先生

「それじゃあ、先生ありがとうございました!」

芽唯はシートベルトを外してドアノブに手を掛けた時、俺は無意識に芽唯の腕を掴んでいた。

「先生??」

「……」

行かないで…

どこにも行かないで。

そう言いたかった。

だけど、芽唯はもう俺のことなんてなんとも思っていない。

斗真のこと悩むってことは、付き合うことを考えてるってことだもんな。

でも、行かないでほしいよ…

「先生?どうしたの?」

俺は芽唯の声ではっと我に返った。

「あ、ごめん。足、あんま無理すんなよ。あと薬も忘れないように。」

「うん!わかってるよ。じゃあもう行くね。
先生ありがとう!」

「おう。じゃあな。」

芽唯は車から降りて、俺に手を振って家に入っていった。

「はぁーーー。」

俺は大きい溜息をついた。

正直、芽唯といるのが辛い。

涙が出そうだ。

芽唯、もう俺たちは戻れない?

太陽side end

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