先生
嘘
次の日。
言っていた通り、春山先生が迎えに来た。
訳ありではあるけど、一応人の目を気にして朝早くに出ていくことになった。
「じゃあ太陽、芽唯よろしくな。」
お見送りをしに来たお兄ちゃんが言った。
「はい。気をつけて行ってきます!」
「お兄ちゃん行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
そして私たちが乗った車は走り出した。
「先生ごめんね。」
「なんで謝るの?」
「だって…」
「迷惑なんて、思ってないけど?」
春山先生は笑顔で言った。
それにつられて私も笑顔になった。
「よかったぁ。」
「俺こそ、こんな朝早くでごめんな。」
「そんな、全然だよ。送ってもらえるだけで感謝してます!」
私がそう言うと春山先生は笑った。
「そっか。
でも、眠かったら寝てていいからね。」
「ありがとう。」