先生
太陽side
もう部活が終わってしばらく経つのに芽唯が来ない。
俺は心配になって芽唯に電話をかけようとしたとき、芽唯がこっちへ来るのが見えた。
…あれ、斗真??
芽唯は一人ではなく斗真と来た。
この時俺の中で嫌な予感がした。
「先生遅くなってごめんね。」
「いやいいけど…」
俺は斗真の方を見た。
「あのね、先生…」
いやだ、やめろ。それ以上言うな。
「私、……斗真と…」
言わないでくれ。
俺が聞きたくない言葉を言わないでくれ…
お願いだから。
俺を一人にするな…
「俺たち付き合うことになったから。」
俺の気持ちなんてお構いなしのように、芽唯の代わりに斗真が言った。
斗真は俺の気持ちにたぶん気が付いている。
まだ芽唯が好きだとわかっている。
どこか、勝ち誇ったような顔をしている。
だから俺はできるだけ動揺を見せないように余裕な振りをした。
俺もまだ子どもだ…。