先生

車を運転中、芽唯の方を見た。

芽唯はさっきからずっと黙っている。

ぼーっとしてる。

何か考え事かな…。

「どうかした?」

俺が声をかけると芽唯は、はっと我に返ってこっちを見た。

「えっ??」

「さっきからずっとぼーっとしてるぞ!」

「…ちょっと考え事。」

斗真のことか…?

俺といるのに他の男のこと考えるなよ…

「よかったな。」

「えっ、なにが?」

「斗真とのこと。おめでとう。」

やっぱり、二人が付き合うのが嫌でもお祝いしないとな。

「…ありがとう、先生。」

なんか浮かない顔だな。

心配だけど、これ以上俺なんかには踏み込めないよな。

「今度は幸せになれよ。」




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