先生

コンコンッ

……………………

コンコンッ

……………………

扉を叩いても反応がなかった。

あれ?

先生いないのかな?

電話してみよ。

私は先生に電話をかけてみた。

『もしもし、吉岡?どうかした?』

先生の優しい声。

声を聞いただけで少しドキッとしてしまった。

『先生、今どこにいる?』

『部屋だよ。』

え、部屋??

『私、今先生の部屋の前にいる。』

『えっ???』

先生の驚いた声がする。

『ちょっと待って。』

そう言って先生が部屋から出てきた。

「吉岡…」

「ノックしても出てこないからいないのかと思った。」

「ごめん、ベランダにいた。」

「何してたの?」

「…ちょっと考え事。ここから海見えるからさ、眺めも良かったし。」

「私も見たいな。」

私がそう言うと先生は部屋に入れてくれた。

そして二人でベランダに並んで海を眺めた。

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