先生

クリスマスパーティーが終わって片付けをしている時も、楽しかった時間の余韻に浸っていた。

「なにぼーっとしてんの?」

気が付けば先生が隣に立って片付けをしていた。

「いや、たくさん笑ったな〜って思って。」

「そうだな。久々にあんなに笑った。バスケ部のみんなといるとさ、俺学生に戻った気分になるんだよな。マジで楽しい。」

「先生制服着たら高校生見えるよ。」

「ほんとか〜??」

先生は笑って見せた。

その笑顔、好きだな。

今日、その笑顔見れただけで幸せ。

「けどこれが最後なんだよな、よく考えたら。来年はもうお前らいないんだよな。」

「先生、寂しい?」

「そりゃ寂しいよ。俺だけ残された気分だよ。」

「私も寂しい。ずっとみんなといたい。」

「そのみんなに俺もちゃんと入ってる?」

冗談っぽく笑う先生。

当たり前じゃん、入ってるよ。

入ってるに決まってる。

< 375 / 436 >

この作品をシェア

pagetop