先生
太陽side
世間ではクリスマスか。
俺はやることもないから学校に来ていた。
「クリスマスに学校とはな〜!」
同じくクリスマスの予定がなくて学校に来ていた連がそう呟いた。
「クリスマスに連と過ごすなんてな。」
「こっちのセリフだ。てかお前、吉岡はどうしたんだよ。」
今は二人しかいないから連が芽唯のことを聞いてきた。
ちょくちょく芽唯の話をする唯一の相手。
それが俺の救いになっていた。
「俺、こんなの初めてだよ。今までは別れたら好きって気持ちがだんだんなくなってくのにさ、今回は、芽唯はなくなってくんねぇんだよ。俺ってこんなに女々しかったっけって思うよ。」
「そんだけ特別なんだろ吉岡のこと。てかそれ好きとかじゃないなもはや。」
「え?どういうこと?」
俺がそう聞くと連はニヤリと笑って言った。
「吉岡を愛してる。」
「おまっ……!!!」
俺はびっくりして言葉が出なくなった。
だけど、そうかもしれないと思った。
もう、好きだけでは言い表せなくなったんだ。
「太陽の愛は、無償の愛ってやつだな。」
無償の愛か。
俺、芽唯のこと愛してたんだな。
好きよりもっと、でかかったんだ。
そりゃ、好きが小さくならないわけだ。
「俺ってほんと、女々しいやつ。」
「まったくだ。」
俺たちはお互い見合って笑いあった。
「よし、飯でも食いに行こうぜ!」
十三時。連の提案に乗り、俺たちはお昼ご飯を食べに行った。
クリスマスの奇跡まであと6時間。
太陽side end