先生
「んー、俺ね、体育の先生になりたいなって。」
なんだ、ちゃんと夢見つけたんだ。
「俺、運動好きだし、部活で後輩に教えてるときとかなんか楽しかったし、成長していく後輩を見てると嬉しくなるし。だから教師になったらずっとそういうの見てられんのかなぁって思ってさ。」
「すごくいいと思う。」
「俺も。航平ならいい先生になれるよ。」
「俺、これからすげぇ頑張って先生になるからさ、俺が頑張ってる隣には芽唯にいてほしいんだ。ずっと、俺の側にいてくれる?」
航平は顔を少し赤くして言う。
そんなの、側にいるなんて当たり前だよ。
でも、
「私でいいの?」
航平の気持ちを分かっていてもやっぱり少し不安になる。