先生

「芽唯じゃないとだめなんだ。」

私ってほんとに単純だ。

この一言でさっきの不安なんて一気に吹っ飛んだ。

「うん。側にいる。ずっと。」

私たちは笑いあう。

そして、航平の顔が私の顔に少しずつ近づいてくる。

そのとき、

「あのー、俺いんだけど。」

あっすっごい忘れてた!!

「お兄さんすいませんっ」

航平が慌てて謝ってる。

「や、いいんだけど、俺がいない時に…ね?」

「はい。」

やっぱりいくら仲が良くても兄妹のLOVEシーンはちょっとね…。

「芽唯、続きは後でな。」

だから照れるって…。

航平のばか。

「芽唯、男にあんまり我慢させちゃだめだからな。」

お兄ちゃんがいやらしい目で見てくる。

もう!

お兄ちゃんまで!

お兄ちゃんのばかばかっ。

< 40 / 436 >

この作品をシェア

pagetop