先生
李空side
帰ってきてからずっと看病をしている芽唯に、おにぎりでも持って行こうと思って俺の部屋に向かった。
扉を開けようとした時、芽唯の声が聞こえた。
………芽唯。
俺は芽唯が寝ている太陽に話してることを聞いて心が苦しくなった。
やっぱり、俺の判断は間違ってたのかもしれない。
大切な家族。
大切な後輩。
俺にとって本当に大切な人を傷つけてしまっていた。
兄として、先輩として、俺が二人のことを応援してやらなければいけなかったんだ。
二人があんなに苦しんでるとも知らないで。
二人のためだと言っておきながら自分の正義を貫き通したかっただけなのかもしれない。
芽唯、ごめんなこんなお兄ちゃんで。
芽唯の辛さをわかってやれなくてごめん。
太陽、ごめんな。
芽唯のこと本当に愛してくれてるのに頭ごなしに反対なんかして。
太陽ほど芽唯にふさわしい男なんていねぇよ。
こんな俺を、許してくれ。
もう二度と二人のことを引き離したりしない。
これからは、二人の恋を俺が守るよ。
李空side end