先生

「そこのバスケ部三人、もう授業やるぞ。」

春山先生が私たちに言ってきた。

なによ、さっきまで女子に騒がれて嬉しそうな顔してたのに。

「なんだ、吉岡。何か不満があるのか?」

ふくれていた私を見て先生がいたずらっぽく笑って言った。

「…ありません。」

私はめんどくさかったから適当に流した。

神木先生といい、春山先生といい、

私の周りの先生って変な人ばっかりだ。

「先生!自己紹介してくださーい。」

クラスの女子が言う。

「自己紹介かぁ。えーっと、春山太陽、二十六歳です。バスケ部の顧問してる。生徒会の教員でもあるから、行事のときとかは活躍するからな。いつもは生徒会教員室か数学科準備室にいるけど、数学科準備室の方にいることの方が多いから、何か授業でわからないことがあればそっちに来てな。」

「先生は彼女いるんですか?」

みんなは興味津々の様子で先生を見ている。

そんな熱烈な視線で見てたら先生穴あいちゃうよ。

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