先生

そんな先生をずっと見ていたのに気付いたのか、

「どうかした?」

と聞いてきた。

「…頼もしいなぁと思って。」

珍しく素直な気持ちを伝えてた。

「まぁ、バスケ部の顧問だしね。捻挫はみんなよくするから。吉岡もマネなんだし、この際捻挫した時の処置のやり方覚えておきなよ。」

「はい。」

「今日は素直だな。」

自分でもそう思う。

今日の私は素直だ。

「あった。」

先生は湿布を探し出してきて、私の足に貼った。

「ありがとうございました。」

「うん。ちょっと休憩してくか。」

先生は私に気を遣ってくれたんだね。

でも今は助かる。

ちょっと疲れたし、今は教室まで戻れそうにない。

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