先生

「航平とは相変わらずラブラブなの?」

沈黙を破ったのは先生だった。

なんでだろう…。

先生と航平の話をするのはなんか複雑な気持ちになる。

「…あ、はい、たぶん。」

返事も曖昧になってしまう。

「たぶんって。ま、幸せそうで何よりだ。」

やっぱりヤダ!

先生と航平の話したくない。

「先生、そろそろ戻ります。」

私は立ち上がった。

「大丈夫なのか?」

正直、歩くたびにズキズキするけど、

航平の話をする方が苦だった。

私が足を引きずる歩き方をしてたから、

先生が私の腕を持って補助してくれようとした。

「ほんと大丈夫です。」

「や、でも…」

そのとき。

< 62 / 436 >

この作品をシェア

pagetop