好きのおもさ

いい迷惑だ。何で気づいてくれないの?


「余計な忠告?


そうか、そうかよ。


じゃあおまえは一生、そうやってしょげとけよ」


朝壬さんは、この状況をうまく回避出来ないみたいだ。


クラスみんながそう思っている。


この雰囲気をどうすればいいのか。



クラス中が困惑していると、チャイムが鳴った。


席に着いている人は私以外にそんなにいなく、席を着こうにも気まずさが漂っているため、席に着けない人が大勢いる。



そんな空気を知らずに、授業に来る先生は呑気に教室のドアを開けた。


「おいおい、どうしたんだよ?

チャイムが鳴ったんだぞ! 席に着け」


ようやく先生からのこの言葉で、みんなは席に着き始める。



・・・だけど冷静に考えてみると、宇川くんの意見は正論である。


物事を前向きに見ず、いつまでも子どもでいるから、私はこんな人間になってしまったんだ。


大人になるってどういうこと?


過去を忘れて心機一転するってこと?


それとも過去を片隅に置いて、現実をしっかりと捉えること?


・・・・そんなのわかってる。



だけどそんなこと、私にはできない。


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