好きのおもさ

<7時間目>


クラスは活気に包まれている。


1学期行われなかった席替えが、ようやく行われるからだ。


もちろん、今の私の心の中はみんなと同じだ。


ようやく左隣のやつから離れられる。



「始めるぞ~」


先生がクジを持ち歩きながら、教室に入った。


号令を済ませると、先生は早速切り返した。


「では早速!

みんながお待ちかね、席替えを始める!」


「「「おおーーー!!」」」



今から一大イベントが始まるみたいに、クラスが盛り上がる。


私は心の中で拍手をした。




ーーー1番。


クジの番号だった。


座席表を見てみると…


窓側の1番前だった。



これはこれで、いい席だ。


1番前ならば、クラスメートの顔を見なくて済む。


自分から振り向かなければ、クラスから背くことができる。



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